電磁両立性（EMC）とは何ですか？

電磁適合性は電磁エネルギーの生成、送信および受信において提供され、電磁干渉を構成しない任意の効果として定義することができます。 規格の結果として、電磁適合性は電子製品のマーケティングのための非常に重要な基準になりました。製品がどの国の電磁適合性の要件も満たさない場合、その製品はその国では販売されない可能性があります。技術の発展の結果として、電子装置またはシステム設計における電磁適合性は、他の伝統的な設計基準と同じくらい重要な設計基準となっています。

EMCの構成:

EMCはEMI(エミッション)とEMS(イミュニティ) の2つに分けられます。

EMIの試験項目:

RE (RE (放射妨害)、CE (伝導妨害)、Harmonic (電源高調波)、Flicker (フリッカ)

EMSの試験項目:

ESD (静電気放電)、EFT (電気的ファストランジェント)、DIP (電圧ディップ)、CS (伝導性イミュニティ)、RS (放射電磁界)、Surge (サージ)、PMS (電源周波数磁界)

前述のように、EMCにはEMIとEMSという2つの主要な試験項目が含まれています。EMI検証は動作中に電化製品自体から放射される電磁エネルギーの大きさに重点を置いています。エネルギーが大きいほど、他の電化製品に干渉する可能性が高くなるため、電磁放射のエネルギーレベルを可能な限り低く抑えることが必要です。検証されたスペクトルではさまざまな基準の限度値をプロットし、電気機器が動作しているときに限度値を超えるリスクがあるかどうかを判断するのに役立ちます。

その一方、EMS検証は電化製品自体の電磁耐性とその干渉防止能力、他の電化製品と一緒に操作するときに誤動作のリスクがあるかどうかに重点を置いています。したがって、操作中の被測定物に電磁エネルギーを供給し続け、被測定物に意図せぬ誤動作が発生したか、またはどれだけの電磁干渉環境下で意図せぬ誤動作が発生したかを観察することです。

Smart Display標準品の検証項目はEMIプリスキャン(放射REおよび伝導CEを含む)です。したがって、本稿の事例共有はREを例に挙げて説明します。

カスタム品はお客様のニーズに応じて検証を行います。実際に検証を行った項目は放射RE、伝導CE、静電気ESD、および電磁放射耐性RSなどです。カスタムの内容に関わったため、事例共有は行われません。

規制:

事業	必要
EN 55014-1	家庭用電気機器放射線
EN 55014-2	家庭用電気機器の放射イミュニティ
EN 55011	工業用，科学用及び医療用機器からの放射線
EN 55013/20	オーディオおよびビデオ製品
EN 55015	電気照明からの放射線
EN 61547	一般的な照明を目的とした装置の放射イミュニティ
EN 55022	ITE機器からの放射線
EN 55024	情報技術機器の放射イミュニティ
EN 60601-1-2	医用電気機器、および関連機器
EN 61000-6-1	住宅、商業、及び軽工業環境向けの機器のイミュニティ（一般規格）
EN 61000-6-3	住宅、商業、及び軽工業環境向けの機器のエミッション（一般規格）
EN 61326	測定、制御、及び研究所での使用のための電気機器のEMC
IEC 61000-4-4-2004	試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント／バーストイミュニティ試験
IEC 61000-4-5-2005	試験及び測定技術−サージイミュニティ試験
IEC 61000-4-11-2004	試験及び測定技術−電圧ディップ，短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
IEC 61000-4-2-2001	IEC 61000-4-2-2001：試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試験

 

事例共有: RE (放射イミュニティ試験)

RE検証は水平および垂直の双方の偏波を測定し、受信アンテナの角度を回転させることで両方を個別に実施することができます。アンテナの角度が固定された後、被測定物(DUT: デバイスアンダーテスト)をオンにして正常に動作させ、DUTの設置テーブルを360度回転させて各角度の電磁放射をスキャンします。

以下はSmart Display 4.3インチ製品設計の初期段階で、プリスキャンを行い、放射線がEN55011規制を超えてしまいました。

 

 

最初のEMIプリスキャンを行った後、限度値を超える周波数を分析すると、756MHzと972MHzはより高い周波数であることが判明しました。そして、これらの周波数からシステム内で高調波を形成する可能性のある干渉源を見つけ出し、干渉源の信号を抑制することを対策として活かせます。

分析による干渉源の信号を見つけた後、信号の高調波を抑制して高周波のノイズを遮断するように、その信号ラインにフェライトビーズを直列に接続した結果、EN55011規制に合格になりました。プレスキャンの検証は次の通りです。

 

 

結論:

お客様のニーズを満たす品質を提供するように、WinstarのSmart Display標準品が量産移行後はEMIプリスキャンを行います。お客様にEMS/EMS認証の参考資料として活かせます。 さらに、前述の放射線耐性の分析と改善対策を例にとると、Winstarはお客様が要求した規制に合わせて製品の開発および設計を行い、お客様の最終製品をより高品質で安全に設計することができます。