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産業機器では、さまざまな位置から画面を確認する必要があるため、TFTディスプレイに広い視野角が求められるケースがあります。TFTの広視野角化には、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)、IPS(In-Plane Switching)、O Filmなどの技術があります。
標準TN TFTよりも広い視野角が必要な場合、O Filmは実用的な選択肢の一つです。O FilmはTN TFTの構造をベースに、光学補償フィルムを追加することで視野角特性を改善します。希望するサイズや外形仕様に適したIPSパネルが選択できない場合でも、必要な表示サイズや仕様を維持しながらTN TFTの視野角特性を改善できるため、特定の産業用途に適したソリューションとなります。
TN(Twisted Nematic)TFT-LCDパネルは産業用ディスプレイで広く採用されていますが、TN方式には階調反転(Gray Scale Inversion)が発生する場合があります。本来、階調値が低い状態から高い状態へ変化するにつれて画面は明るくなりますが、階調反転方向から一定以上の角度で見ると、低階調側が高階調側より明るく見えることがあります。その結果、階調、コントラスト、色味が大きく変化し、その方向での実用的な視野角が制限されます。
WINSTARのO Film TFTは、TN TFTの基本構造を維持したまま光学補償フィルムを追加することで、視野角特性を改善します。これにより、実用視野角を広げ、階調反転の影響を抑えることができます。下図は、標準TN TFTとO Film TFTを異なる方向から見た場合の表示差を示しています。

TFTディスプレイの視野角は、一般的に各方向から測定したコントラスト比(Contrast Ratio, CR)を基準に規定されます。以下の表では、CR ≥ 10の条件における標準TN TFTとO Film TFTの視野角を比較しています。
| 項目 | 方向 | 記号 | 条件 | 最小値 | 標準値 | 最大値 | 単位 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 視野角 | 水平 | ΘR | CR ≥ 10 | 55 | 65 | - | 度 |
| ΘL | 55 | 65 | - | ||||
| 垂直 | ΦT | 45 | 55 | - | |||
| ΦB | 45 | 55 | - |
| 項目 | 方向 | 記号 | 条件 | 最小値 | 標準値 | 最大値 | 単位 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 視野角 (階調反転方向) |
水平 | ΘR | CR ≥ 10 | - | 75 | - | 度 |
| ΘL | - | 75 | - | ||||
| 垂直 | ΦT | - | 75 | - | |||
| ΦB | - | 75 | - |

WINSTARのTFT仕様書に記載されるView Direction(最適視野方向)とGray Scale Inversion Direction(階調反転方向)は、それぞれ異なる視野特性を示します。下図の例では、12:00がView Directionです。この方向から見る場合、視野角が限界に近づくにつれてコントラストは低下しますが、顕著な階調反転は発生しません。
一方、6:00はGray Scale Inversion Directionです。この方向から見る場合、視野角が限界に近づく、または限界を超えると、コントラストの低下に加えて階調反転が発生する場合があります。これはTN TFTパネルの液晶配向や製造工程で定義される視野方向特性に関係します。

標準TN TFTと比較すると、O Film技術により視野角を広げることができます。本比較条件では、水平方向の標準視野角は65°から75°に、垂直方向は55°から75°に向上します。
一方で、O Filmを追加するとバックライト輝度が約15~20%低下する場合があります。そのため、O Film TFTを選定する際は、視野角特性だけでなく、アプリケーションで必要となる輝度条件もあわせて評価する必要があります。

TFT方式によって視野角特性は異なるため、用途に応じた選定が必要です。最適視野方向、階調反転、TN・VA・IPSの違いについて詳しく知りたい場合は、TFT LCDの視野角技術解説をご覧ください。
O Film TFTは、TN TFTをベースに光学補償フィルムを追加して視野角特性を改善したTFTディスプレイです。TN TFTの基本構造を維持しながら、実用視野角を広げ、階調反転の影響を抑えることができます。
O Filmは光学補償によりTN TFTパネルの視野角特性を改善し、異なる角度から見た場合でも、より安定した表示を維持しやすくします。本記事の比較例では、CR ≥ 10の条件において、O Film TFTの水平・垂直方向の標準視野角はいずれも75°です。
O Film TFTは、TN TFTの構造に光学補償フィルムを追加して視野角特性を改善する方式です。一方、IPSは異なる液晶配向方式によって広視野角を実現します。IPSは一般的に広く均一な視野角特性を備えていますが、すべての表示サイズや外形仕様で適切なIPSパネルを選択できるとは限りません。このような場合、O Filmは必要な表示サイズや仕様を維持しながら、TN TFTの視野角特性を改善する選択肢となります。
WINSTARの標準型O Film TFTは2.8、4.3、5.7、7インチ、バータイプのO Film TFTは3.9、5.2インチをラインアップしています。現在提供可能な型番や仕様については、WINSTAR O Film TFT製品一覧からご確認いただけます。
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