2026年3月 WINSTAR ニュース
2026年3月のWINSTARニュースレターへようこそ!
今号では、Embedded World 2026 の出展ハイライトをはじめ、STM32搭載HMI開発ボード、STNモノクロLCDモジュールを活用した表示ソリューション、さらにディスプレイシステム統合におけるMIPI DSIの互換性とタイミングメカニズムに関する技術記事をご紹介します。
- 最新情報、ディスプレイソリューション、技術情報をぜひご覧ください。
- › Embedded World 2026 出展ハイライト
- › STM32搭載 HMI開発ボード(2.4インチ、4.3インチ、5インチ)
- › STNモノクロLCD表示ソリューション
- › MIPI DSIの互換性とタイミング設計
Embedded World 2026 ご来場ありがとうございました
Embedded World 2026 では、世界各国からエンジニア、お客様、パートナー企業の皆様が来場され、ディスプレイ技術や組み込みシステム用途について活発な情報交換を行う貴重な機会となりました。
WINSTARブースでは、GUI Builder対応のSmart Display、Embedded SoMプラットフォーム、堅牢性に優れたTFTディスプレイ、防水・手袋操作対応ディスプレイ、ローカルディミング技術、リアルタイム検知を活用したインタラクティブデモなど、幅広いソリューションをご紹介しました。
また、WINSTARはST Authorized PartnerおよびSTM32エコシステムパートナーとして、STブースとWINSTARブースの両方でAI対応ディスプレイデモを展示しました。本デモでは、STM32N6を搭載した8.8インチのバータイプディスプレイにより、カメラベースのAI検知を高フレームレートで実演しました。
さらに、EPD、MIP、OLED、透明OLEDなど、環境配慮型の各種ディスプレイ技術もあわせてご紹介しました。
展示会の様子は、Embedded World 2026 ハイライト動画よりご覧いただけます。

迅速なUI試作を支援するSTM32搭載HMI開発ボード

WINSTARは、組み込みシステム向けGUI開発の効率化を支援するSTM32搭載HMI開発ボードの新シリーズを発売しました。WINSTARのTFT LCDモジュールとSTM32マイコンを専用ハードウェアプラットフォーム上に統合することで、エンジニアに向けて、迅速な試作、GUI設計、システム評価をすぐに始められる開発環境を提供します。
本プラットフォームは、TouchGFX、STM32CubeMX、STM32CubeIDE、STM32CubeProgrammerを含むSTM32開発エコシステムに対応しています。広く利用されているSTM32開発ツールを活用しながら、グラフィカルインターフェース設計、周辺機能設定、組み込みアプリケーション開発を効率的に進めることができます。
USB Type-C、UART、SPI、I²C、RS-485、Micro SD拡張など柔軟なハードウェア接続に対応しており、開発段階で各種センサー、コントローラ、通信モジュールとの連携を容易に行えます。そのため、産業用制御パネル、スマート家電、医療機器インターフェースなど、さまざまな組み込みHMI用途に適しています。
本シリーズは、新たに3種類のディスプレイサイズをラインアップしています。コスト効率に優れたUARTベースのHMI制御から、GPUアクセラレーションに対応したSTM32G0およびSTM32U599 MCUを採用した高度なGUI開発プラットフォームまで、用途に応じた選択が可能です。
STNモノクロLCD表示ソリューション
WINSTARのSTNモノクロLCDディスプレイモジュールは、産業用情報表示向けに高い安定性とコスト効率を兼ね備えたソリューションです。高コントラスト、低消費電力、広い動作温度範囲、過酷な環境下でも優れた信頼性を発揮する特長により、STN LCD技術は長期供給が求められる組み込み機器向けディスプレイとして広く採用されています。
WINSTARは長年にわたる製造実績をもとに、標準品からフルカスタマイズ対応まで幅広いSTN LCDソリューションを提供し、多様な産業機器および業務用機器において安定した表示性能の実現をサポートします。

WINSTAR STNモノクロLCDディスプレイモジュール
モノクロLCDの技術ラインアップ
コントラスト、視野角、視認性に関するさまざまなご要望に対応するため、WINSTARでは複数のモノクロLCD技術をご用意しています。
- TN(Twisted Nematic) – 数字表示やセグメント表示など、基本的な表示用途に適したコストパフォーマンスの高い方式です。
- STN(Super Twisted Nematic) – TNに比べて視野角とコントラストに優れ、より複雑なグラフィック表示に対応します。
- FSTN(Film-Compensated STN) – 色味の変化を抑え、白黒コントラストを向上させることで視認性を高めます。
- DFSTN(Double Film-Compensated STN) – 背景からの光漏れを低減し、より高いコントラストと深みのある黒表示を実現します。
- VATN(Vertical Alignment TN) – 高級モノクロ表示用途に適した、非常に高いコントラストと優れた視野角を備えています。
主な用途例
WINSTARのSTN LCDモジュールは、安定動作と長期供給が求められるさまざまな用途で幅広く採用されています。
- 産業用制御システムおよび計測機器
- 医療用電子機器
- POS端末および業務用機器
- 民生機器およびスマート家電
- フィットネス機器および携帯機器
ディスプレイ統合におけるMIPI DSIの互換性とタイミング設計
ディスプレイ製品の開発やシステム統合においては、ホストSoCとディスプレイドライバIC(DDIC)の双方がMIPI DSI準拠であっても、初期化不良や表示動作の不安定さが発生する場合があります。
代表的な症状としては、ブラックスクリーン、断続的に発生する縦ノイズ、ハードウェアプラットフォームごとに異なる表示安定性などが挙げられます。こうした問題の多くは、プロトコルレベルの非互換ではなく、LP-to-HS遷移時におけるD-PHYのタイミングマージン不足に起因しています。
実際の統合検証の現場では、設計初期の段階で物理層の挙動とシステム境界条件を十分に評価していない場合、パネル自体がMIPI仕様に準拠していても、統合時のリスクが残ることがあります。

MIPI DSIのシステムアーキテクチャとレイヤー間の関係
設計・評価時の主なポイント
- PHY層とプロトコル層は一体で評価することが重要です。
- LP-to-HS遷移のタイミングは、SoT検出およびパケット同期に直接影響します。
- 仕様上の最小要件を満たすだけでは、異なるプラットフォーム間での安定動作を保証できない場合があります。
- PHY設計、PLL動作、受信側タイミング機構の違いが、実機での互換性に大きく影響することがあります。
WINSTARでは、複数プラットフォームにまたがるMIPI DSIの立ち上げおよび検証プロジェクトを通じて、受信側の起動動作、タイミングマージン、パケット完全性が、表示安定性を左右する重要な要素であることを確認しています。

MIPI DSIパケット構造とSoT検出フロー





